高く澄みきった空に心も晴れ晴れとするこの頃、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
10月も中旬となり、肌寒い日が続いていますが、そんな時期に気を付けたいのが「隠れ脱水症」です。
一般的に脱水・熱中症と聞くと夏のイメージが強いと思いますが、秋にも発症のリスクがあります。
これは、近年の気候変動による気温上昇の影響で、秋になっても暑さが続くことが原因になりますが、秋特有の気候が原因になることもあります。
「秋の熱中症の原因」
• 水分補給がおろそかになりやすい
秋になって涼しくなると喉の渇きを自覚しにくくなり、こまめな水分補給への意識が薄れやすく脱水になりやすいです。
• 1日を通しての気温差や日毎の気候に違いが出やすく、体がその変化についていけなくなりやすい
熱中症は、暑さに慣れている状態のときより、急に暑くなった日に起こりやすいといわれています。
• 季節の変わり目のため自律神経の不調が起こりやすい
例年よりも感染症対策には力を入れていると思いますが、現在は環境の変化によるストレスで体調不良を訴える人も増えてきています。
• 秋から冬に流行しやすい感染症による体調不良が起こりやすい
涼しい季節は、脱水がゆっくりと進んでいきやすいので熱中症や脱水の症状にも気づきにくいです。
• 感染症による下痢や嘔吐で脱水になりやすい
このように、秋の熱中症や脱水には「暑さ以外のリスク要因」も潜んでいます。
夏と同様に「こまめな水分補給」を心がけましょう。
熱中症、脱水症の症状
• 37℃以上の発熱
• 脈拍の増加
(1分間に120回以上になることも)
• 皮膚にハリがなく、少ししわしわしてくる
• 爪を押したとき、白色からピンク色に戻るまでに3秒以上かかる
• 3%以上の体重減少が見られる
• 意識レベルが低下して、呼びかけへの反応が弱い
• 全身、部分的にけいれんが見られる
上記の症状に気づいたときは、すばやく体に吸収される経口補水液やスポーツドリンクなどのイオン飲料を補給することをおすすめします。
『熱中症、脱水になりやすい人の特徴』
• 子供
(顔が地表面から近く、身体機能の発達が未成熟なため)
• 高齢者
(身体機能が低下し、温度や喉の渇きを感じにくいため)
• 慢性的な肥満、運動不足、睡眠不足がある人
• 風邪や二日酔いなど、体調不良がある人
秋の熱中症や脱水は少しずつ進行していくことが多いために、一般的に「かくれ脱水」と呼ばれているような「はっきりしない症状」しか出ないことがあります。
いつもと違う変化がないか、意識して観察するようにしてください。
『水分補給をするときに気をつけることは?』
季節に限らず、熱中症や脱水の予防には「適切な水分補給と体調管理」が大切です。
水分補給がおろそかになりやすい秋は、以下のことに注意しましょう。
「こまめな水分補給」
運動や労働をせず、1日を普通に過ごしていても体内の水分は失われていきます。
失った水分は補給しなければいけませんが、水分を一度に吸収できる量は限られていますので飲み溜めはできません。
水分は、一度にたくさんの量を摂るのではなく少しの量をこまめに補給するようにしましょう。
「水分補給の量とペースの目安」
1回の水分量…コップ1杯程度
1日の水分摂取回数…食事とは別に1日8回
水分補給のペース…1時間に1回
(喉が渇いていなくても摂る)
睡眠中や仕事中に「トイレの回数が増えるから」という理由で水分摂取を控えている人は、とくに注意してください。
水分補給には、真水や麦茶などのノンカフェインのお茶を飲むようにしましょう。
私自身も気温の涼しさを感じてから水分を摂取する頻度や量が減っているのを実感しています。
こまめな水分摂取を心がけ、体調を崩さないように日々を乗り切りましょう。