生活リズムを整える

日毎に日照時間が短くなってまいりましたね。

冬は日照時間が短いため体内リズムも乱れやすくなり、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが減少し気持ちも不安定になることがわかっています。

生活リズムが崩れてしまうと、どのように整えれば良いのか迷うこともあると思います。

生活リズムは、実際の時間と体内時計との時差をなくすことが重要なポイントとなります。

そこで注目したいのが、毎朝の習慣です。

生活リズムは何で決まるのか

人の体には約25時間周期の体内時計が備わっていますが、時差を調整せずに生活していると、体のリズムが少しずつずれてしまいます。

体内時計を24時間に調整するために毎日必要となるのが、体内時計のリセットです。

体内時計のリセット方法には、「朝日を浴びること」と「朝食を食べること」が挙げられます。

『生活リズムを整える方法』

体内時計と実際の時間のサイクルを合わせるには、日々の生活習慣が重要です。

①朝日を浴びる

体内時計は外部のさまざまな刺激によって修正され、特に光は強い刺激となるため、朝日を浴びることは生活リズムの調整に効果的です。

朝日には、体内時計を早めて24時間に調整する効果が期待できます。

朝日を浴びるタイミングは起床直後が特に良いとされているので、朝起きたらカーテンを開けて、朝の光を部屋中に取り込みましょう。

②夜に強い光を浴びない

夜の光に体内時計を遅らせる効果があります。

夜遅い時間になるほどその効果は強まり、室内で長時間照明を浴びただけでも体内時計が遅れてしまいます。

特に、昼白色や昼光色などの白い光の蛍光灯は、体内時計を遅らせる作用が強いため、夜はオレンジがかった暖色系の照明がおすすめです。

日中と夜間で浴びる光を調整すると、生活リズムが整うでしょう。

③朝食をきちんと食べる

栄養バランスの良い朝食をきちんと食べることで、体を目覚めさせ生活リズムを整えられます。

体内時計は、食事をとる時間を基本にして、活動と休息を決めているといわれているため、朝食を抜いてしまうと体内時計が25時間のままで修正されず、時差によって体調を崩すことになるでしょう。

④運動や入浴習慣を見直し良質な睡眠を取る

しっかり眠るためには、生活リズムを整え睡眠と覚醒のリズムを一定に保つことが重要です。

『睡眠の質を高めるためにすること』

①寝る直前の食事は避ける

食事をすると消化活動が活発になり、睡眠を妨げます。

②運動を習慣化する

良質な睡眠を維持するために重要な運動ですが、激しすぎる運動は睡眠を妨げるおそれがあるので、習慣化するには散歩や軽いランニングなどの有酸素運動を選びましょう。

特に、就寝の約3時間前に運動は寝つきが良くなることが期待できます。

③入浴のタイミング

就寝の2~3時間前に入浴することがおすすめです。

約38度のお湯なら25~30分、約42度のお湯なら約5分浸かってみましょう。

入浴は、半身浴でも効果的です。

38~39度のお湯に腹部まで浸かり、30分程度入浴すると寝つきが良くなります。

ぜひ、自分に合った入浴の方法を試してみてください。

朝はしっかり太陽光を浴びて目を覚ましてから、バランスの良い朝食をとり、夜は明るい光を避けて、暖色系の穏やかな照明を使うことが理想といえます。

生活リズムを整えて健康的な毎日を送れるよう、このように日々の生活を見直してみてください。

天高く馬肥ゆる秋とは

『天高く馬肥ゆる秋いかがお過ごしでしょうか。』

秋の時候の挨拶として使われるこの言葉ですが、どのような意味なのか気になり、調べてみました。

「天高く馬肥ゆる秋」の意味

秋は空が澄み渡って高く見え、馬も食欲が増して肥えるような収穫の季節。

天気が良くて食べ物も美味しく、過ごしやすい秋を称賛する意味合いで使われています。

ですが元々は今のような快適な意味ではありませんでした。

『天高く馬肥ゆる秋』の由来

「天高く馬肥ゆる秋」は、中国唐代の詩人・杜審言(としんげん)の「漢書」にある次の一文に由来します。

「雲浄妖星落 秋高塞馬肥」

(そらきよくしてようせいおち あきたかくしてさいばこゆ)

「妖星」とは凶事の前兆と信じられていた不吉な星(彗星や流星など)

「塞馬」とは北方の馬(ここでは遊牧騎馬民族・匈奴<きょうど>の馬)のことをさします。

秋になると肥えてたくましく育った馬に乗って敵(匈奴)が攻め込んで来るから警戒せよ、といった内容です。

中国の王朝・前漢(紀元前206年-8年)では、遊牧騎馬民族・匈奴との戦いが激化していました。

匈奴は秋になるとたくましく育った馬に乗って収穫物を略奪しに来ることが多かったため、前漢の将軍が敵の襲来に備えるよう警告したのです。

紀元前214年に秦の始皇帝によって作られたといわれる「万里の長城」は、騎馬民族の侵入を防ぐための高い壁ですが、当時は一部しか建設されていなかったため、匈奴の侵入を十分に防げませんでした。

その後、匈奴が滅亡すると、「天高く馬肥ゆる秋」は過ごしやすい秋の到来を表す意味合いで使われるようになりました。

現代で使われている意味合いとしての『天高く馬肥ゆる秋』ですが、「馬も食欲を増して肥えるような収穫の季節」「食べ物の美味しい秋」と認識されている方も多いと思います。

秋は「食欲の秋」なんて言われますが、なぜそのように言われているかというと秋に旬を迎える食べ物が多いというのも理由の1つですが、実は私たちの体の仕組みも関わっています。

その大きな理由の正体は、食欲の調節や精神の安定させる作用を持つ神経伝達物質である「セロトニン」。

別名「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」はあらゆる快楽と密接に関わっているのですが、近年では日光を浴びた時間によって分泌される量が変化することも分かってきました。

そして、セロトニンは日光を浴びることの他に「食事を摂ること」でも分泌されます。

秋から冬にかけて日中の日射時間が減少することによって、精神を安定させるためのセロトニンが不足し、それを補うために人の食欲が増加すると考えられています。

秋に収穫の時期を迎える野菜は太陽からの恵みを溜め込んだ栄養の宝庫、旬の野菜にはその時期の気候に合わせて私たちの体調を整える働きがあり、厳しい夏を乗り越えた疲れとこれから迎える厳しい冬に備えた体作りに役立つといわれます。

特に秋の野菜はビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富で、でんぷん質による甘味があるものが多いという特徴があります。

身体のバランスを整えたり、高い抗酸化作用を持った食材の多い秋ですが、意識しなければ献立に入れる前に旬が過ぎ去ってしまいます。

冬の寒さを迎える前に秋の食材のパワーをたっぷりと蓄え、心身共に健康な生活を送りましょう。

とはいえ、いくら栄養素に優れているとしても食べ過ぎは禁物です。

「食欲の秋」は自制心と戦いながら楽しみましょう。